藤井風スタジアムライブ まるで人生のように
【まえがき:スタジアムライブのレポートとはほど遠いもので、自分のための備忘録かつ今回行けなかった友人のために書いている部分もあるので、まどろっこしい方は適当に読み飛ばしてください。前半の、開演までが大変だった云々の記述は、今後もしスタジアムライブなどあった際、初参加の方の参考になるかも。】
藤井風スタジアムライブ、16日の2日目に参加してから早1週間。
一昨日くらいまで、大阪吹田市のパナソニックスタジアムに未だ魂を置いてきたままのような気がしていたが、1週間経つとだんだんと自分の日常が戻ってきつつある。
けれど、深まりゆく秋の気配とも相俟って、祭りの後は寂しい。
というわけで、前回の記事まではチケット当選せずだったが、その後ステージのプランを組み直して用意できる席が増え、その再抽選に応募し、4回目にして当選!
マネージャーずっず氏のアドバイスどおり、2日めの日曜、あえてスタンド席1名で応募したらやっとやっと「チケットをご用意できました」の通知が😭......当たる前から17日は有休を申請していたという「念」が通じたのかも。
その時、すでに9月末、慌ててホテルと新幹線を予約した。
贅沢に前日の15日に大阪に入り、ライブ翌日の17日に帰る2泊3コースにした。
何でもベジタリアンフーズも出店、グッズ購入は予め申し込んでおく必要もありで、次から次へと情報が......今回はグッズは購入しないなあと思いつつ、とりあえず申し込むだけ申し込んでおいた。
仕事も忙しく大阪行きを用意するだけで精一杯、アプリでの情報もあまり熟読できず、とにかく出たとこ勝負で、という感じで挑んだが......スタジアムライブを甘く見ていた。
これはもう、ほとんど野外フェスに近かった。
当日、どういうスケジュールで動けばいいのが見当もつかないまま、11過ぎに万博記念公園駅に到着。
まず、想像以上にパナソニックスタジアムのある万博記念公園が広かった。
そして、想像以上に暑かった。
1日目に行った人のツイッターを読んだりして前知識を少しは入れていたが、すべてが自分の想像以上。
東京の自宅を出る時は薄曇りで、雨や寒さを心配する方向だったのだ。
なので、HEATのロングTシャツを着用。
しかし、これが暑かった。
そういえば、半袖のロンリーラプソTも持っていたのになぜそっちにしなかったの、自分〜と後の祭り。
で、ベジタリアンフーズの「KAZE KITCHEN」の会場に近づくと.....びっくりするような長蛇の列。これはいったい何時間待つのか予想もつかない。皆、忍耐強いなあと思いつつ、連れもなくひとりでこの暑さのなか並ぶ気力はなく、あっさり諦めた。
じゃあせめてグッズは購入しようと思うも、売り場はどこなのだろう?と、なかなかな段数の階段を昇り降りして、体力消耗(先にちゃんと確認しろよ、自分〜)。
スタッフの方に聞いて、スタジアムの近くであることがわかり、てくてく。私の購入できる時間帯の番号は12時台からだったので、先に向かうことにする。
その距離も結構あった。
そしてグッズ売り場の辺りも、日差しを遮るものがなく、暑い。
自分の番号が来るまで、なんとかやや日陰になっているスタジアムの裏手に回り、待機。
ここでリハーサルの音が聴こえてくる。おお、とか思いつつ、ひたすら待つ。
1時間くらいは待っていただろうか。
ようやく自分の番になり、グッズの列に......そこからがまた長い。日差しのないところで、だいぶ並んだと思う(もはや時間もはかっていない)。
決めていた黒いTシャツのSサイズは目の前で売り切れたので、Mサイズを、そして買う予定ではなかったあのバスタオルも結局買ってしまった。
すでに買って肩にかけている人のを見たら、色もきれいだし、ちょっとしたミニタオルケットみたいで思っていたより素敵だったので。
購入後、あまりに暑いので、早速このTシャツに着替えることにした。
しかしトイレも長蛇の列。
そこからまたてくてく歩いて芝生のある公園のある方へ戻り、多少は列少なめのトイレの列に並ぶ。30分以上は並んだろうか。
和式の古いトイレの個室で必死で着替えて、やっとほっと息。
で、その公園でコンビニで買った梅干しのおにぎり1個と水と、小さいカントリーマアム4個のお昼をとる。おにぎり買っておいてよかったとしみじみ。
しばらくその公園で休んでいると、スカートだったせいか素肌部分の足が猛烈に痒くなる。蚊ではなかったので、草にかぶれたのか?
ふー、いろいろあるなあ。
長い旅路、さながら巡礼の旅のようである。
これでも30代後半まで、一晩中踊るテクノの野外レイヴなんかに何度か行った経験があるのだけれど、そういうイベントから長く離れていたしなあ。それと同じくらいの覚悟が必要だったかも。
暑さ寒さ対策両方必要、スカートではない方がよかった、リュックサックを用意すればよかった、食べ物をもっと持参するか、落ち着いて事前に食事をしておくべきだった、などなどの後悔というか反省点が。
と、あれこれありつつも、やっと会場の時間に。
会場入りはスムースだった。
しかし......私の席は、スタンド席5階19列で最上階の最後部席という、ここを引き当てるのは逆にすごいと思ったけれど、果てしなく上へ上へと上ることになる。
5階席のブロックに入ってから、そこからまた階段をかなり上がっていく。
その階段がコンクリート剥き出しで急勾配なわりには手すりが部分的にしか付いていなくて、すごく怖かった。
ようやく席に着くと、目眩がするような高さで、皆こんなところでサッカーを観戦しているのかと感心した。
一度トイレに立ったけれど、席に座っているのが怖くて、しばらく席ではないところで待機していた。
それにしても、ここに集っている3万人ほどの人が皆、藤井風さんを好きでたまらないのかと思うと、なんとも言えない気持ちに。
すごいことだなと思った。
*私の席から見たところ。ステージに近い左側だったのはよかった。
さて、やっとライブレポート、と言いたいところだけれど、音楽を言語化するのが苦手なので、たいしたこと書けません。
その前に、またまた先に反省点。
遠いのでオペラグラス越しでしょっちゅう見ていたのだがーーモニターに映る風さんの姿が加工っぽくて全身があまり映らないので、よりリアルな姿を見たいとばかりにーーオペラグラスの焦点を合わせたり、素で見たり、あたふたしているうちに集中力がやや欠けた。
モニターに今回のために制作された映像も流れていたりしたらしいのだが、まったく気づかなかったよ!
何より、最初の風さんが座禅を組みながら登場する印象的なシーンをまるまる見逃していたのである。なんということ!(後でツイッターで知った)。
そんな人間はあのライブ中、私くらいかもしれん。不覚。
その時いったいどこを見ていたのかもう記憶がないのだが、オペラグラスで違うところを見ていたのかなあ。
これはもう、すぱっと諦めて、オペラグラスを手放し、全体を見て楽しむべきであった。
と言いつつも、5階なのに驚くほど距離感がなく、音もよかったので、感動だった。
すり鉢状の会場の最上階も、皆が立っているとそれほどの怖さもなくなった(それでも若干高所恐怖症気味の私は、何かの拍子にこけて前の席に転落したら将棋倒しになって多くの人を巻き添えにして死ぬなとか、楽しさのなかにも怖い想像が時々)。
初めの方のMCで風さんが「大変ななか、よう来てくれました」といったことを言ってくれた。
いやほんと、大変だったけれど、来てよかったよ〜と心のなかで。
衣裳はインドの修行僧(がどんなものを着ているか知らないけど)のような、布を肩にかけた白っぽい凝ったもの。
さて、曲で印象的だったものを。
★「優しさ」
アルバムとはかなり違う歌い方で、ややジャズより?(うう、語彙力がない)な雰囲気で、よりエモーショナルで、これはかなり心揺さぶられた。
★「grace」
今回のスタジアムライブ直前、インドで撮影されたMVも発表され話題となった新曲。なので撮影OKという大盤振る舞い!
電源を切っていたiPhoneを慌てて起動させ、5階から撮影。
はたと、いやいやこんな遠くからの映像残すよりは目に焼き付けるのだと、1分で止めた。
後で見てみると、案外と音がきれいに拾えていて、むしろ上の階だっただけに、会場の空気全体に回りこんでいるような、厚みのある音が録音されているようで、これはこれで味があるので映像は撮らなくても、音だけ録っておけばよかったなあと、またまた後悔。
後日、ツイッターやYouTubeに次々あがる動画を見て、これって素敵な計らいだったなあとあらためて感じた。
皆のスマホの光がきらきらと星のようだし、行けなかった人や海外ファンへの贈り物にもなるし、いい形での新曲の拡散にもつながる。
この、出し惜しみしない「チーム風」のやり方は解放的で、「優しさ」に溢れている。
風さんの音楽活動がこういう場所で本当によかったと思う。
「grace」は「まつり」と並んで、私の脳内リピート再生率が高く、仕事中もよく鳴っている。
光と魂の解放、自分を愛すること、がテーマだろうか。
★「死ぬのがいいわ」
サックスのイントロがあり、昨年のアリーナツアーは「風よ」がサックスのみだったので、おお、今回は何の曲?とわくわくしていると、そこから、今アジアでも大人気のこの曲へとつながっていった。
★「帰ろう」
レゲエのリズムが鳴り、まさかこのタイミングで新曲はないよね?!と驚いていると、レゲエ風の「帰ろう」。
しんみりしたり深く考えこんでしまうこの曲がまったく違うアレンジで、軽快に。
元の曲も好きだけれど、このアレンジ、かなりよいと思う。
こういう「帰ろう」の解釈もあるよねと。
★「まつり」
いよいよハイライト。このスタジアムライブのテーマだと私は勝手に思っていたのだけれど、まさにそんな感じ。
風さんの立っていた台座がせり上がり、どんどんどんどん高くなり、この5階までに近づくのではと思わせるほどに。
最後に大きな花火が炸裂、ほんとの祭りになった。
前半はインド修行僧風な白風さん。
後半は真っ赤な上下の衣裳の赤風さんで、遠くから眺めていると、サンタクロースが駆けずり回っているみたいに見えて楽しかった。
いや実際、風さんは自らもまだもがいている修行僧であり、同時にたくさんのプレゼントを配ってくれるサンタクロースだと思う。
セットリストをはじめ、各曲の詳細な解説・感想、演出の様子などは、私が書くより他の方のブログの方がよくわかるかと思うので😅、リンクを貼っておき
ます。
最後は、会場の皆を抱き締めるような仕草をしてステージを離れた姿が今でも目に残っている。
そしてそして。あれほど待ち望んでいたのに、夢の時間は始まるとあっという間に終わってしまう。
このライブに行く前に、友人と話していて、彼女にも長年の推しがいて、毎年地方に定例のコンサートに行くらしいのだが、始まったら終わってしまうと、開演前から切なくなってしまうそうだ。
少し前の私なら、何をそんな大げさな、その時を楽しめばいいのにと思ったかもしれないが、その感覚、今はとてもよくわかる。
あまりにも好きすぎて始まる前から切なくなるのだ。
実は以前、このブログで「藤井風を好きになると、なぜか切なくなる」という文を書いたことがある。
これはもう、藤井風が好きすぎるという病い。
病い=幸せと同義と捉えてもよいのかもしれないが。
とりとめがなくなったけれど、ああすればよかった、こうすればよかったと、後悔と執着が激しい私(今から同じスタジアムライブがあれば、完璧にこなせるのに!なーんて)。
日常においてもそうなりがちなので、このスタジアムライブも悲喜こもごも、「まるで人生のように」感じた。
人生と同じで、時間を戻してやり直すことはできない。
でもどんな体験も自分のなかに確かに残って、次へとつながる。
ひとりきりでの参加で、若くない私にはなかなか過酷な1日であったことは確かで、先週は気持ちも戻らず、洗濯ものも追いつかず、仕事は忙しく通常モードで疲れているけれど、どこか体と心の奥の芯みたいなのがすっきりしていて元気、みたいな不思議な感覚だった。
これって風さんの願いどおり、浄化されたということ?(悪いものは出していって、みたいなことMCで言っていなかったっけ?)
あるいは日頃運動不足だけど、それが一時的に解消された?
そして、振り返ると、あんな気力と体力がどこに潜んでいたのかと自分自身に驚いている(笑)。
またすぐに戻ると思うけれど、やはり「風の魔法」にかけられたのかも。
というわけで、次の魔法にかかるべく、また来年のアリーナも申し込みます。
ああ、あのe +の申し込み抽選地獄(いや、天国)がまたやって来る。
ライブ終了後も退場時間〜駅〜モノレールに乗車まで、とてつもない時間がかかり、やはり3万人(ずっず氏のダイアリーでは1日3万5千人だったと!)がひとつとのところに集まるのって大変なことなのだと感じた。
スタッフの苦労も偲ばれる。
今日、ずっず氏のダイアリーで、なぜパナスタを選んだのかの理由もわかり、うるうるしている。
陸上トラックがなく、よりステージを近く感じられるために、風さんが「遠くにいっちゃったよね」と思わせないために、あそこが必要だったのだと。
また、本当は8〜9月にアジアやNYのツアーも予定していたけれど、コロナで見送らざるを得なかったと(そんな日は近いうちに来るだろうと思っていたけれど、予想以上に早かった)......いろんなことがありつつのスタジアムライブだったのですね。
そんななか、こんな素敵な「風祭り」を開催してくれて感謝です。
大変だったし、席も遠かったけれど、これだけ大収容スタジアムでも落選した人もいるのだから、やはりgraceとして受け止め、大事な想い出にしたいと思う。
そして、ぜひぜひディスク化を希望!(撮影が入っていたので、絶対なると思い込んでいるけど。盛りだくさんすぎて、見逃したシーンがありすぎるのです)
*この旅の想い出。
グッズ、やはり買ってよかったな。バスタオルはお風呂上がりに身体を拭くのはもったいないと、膝掛けにしたり、でも膝掛けもちょっと違うかなとソファの背にかけたらいい感じに。野菜T、バックのお野菜はプリントかと思っていたら、刺繍だったので一層気に入りました。
*その後、おにぎりひとつちょっとのお昼ご飯しか食べられなかった私が、晩ご飯も逃し気味に......などなど、大阪でのライブ前後の話はまた後日。